オミクロン株の亜種はステルス型

日本で新型コロナウィルス(SARS-CoV-2 / COVID-19)の患者が初めて確認されてから2年が経ちました。まだ完全に消滅した訳ではないデルタ株(B.1.617.2系統)からオミクロン株(B.1.1.529系統)が主流になり始め、感染者数が急増しているのは既知の事実です。

オミクロン株はデルタ株との単純比較で約4.2倍の感染力がある事が判っています。

例えばデルタ株に見舞われた第5波の時に東京都では2021年8月13日のピーク時で1日に5908人の感染者が出ていたので、単純に警戒や対策が同じレベルで続いているならば1日に24813人出てもおかしくありません。


オミクロン株 1



デルタ株は重症化し易い特徴を持ち、オミクロン株は感染力が強いという異なる性質を持っている訳ですが、オミクロン株には下位系統としてBA.1系統・BA.2系統・最近になってBA.3系統という大枠ではオミクロン株だけどスパイクタンパク質に見られる変異や欠失箇所が少ないなど、若干異なる部分があるそうです。

この若干の異なりが新たな脅威になりつつあり、オミクロン株のBA.2系統はPCR検査で発見し難い性質を持っている事から「ステルスオミクロン」とも呼ばれているそうです。また、現在日本で主流のBA.1系統のオミクロン株と比べて感染力は約1.2~2倍ほど強い事が判りつつあり、デルタ株の最大約5~8倍ほどの感染力を持つ可能性が出てきました。

BA.2系統のオミクロン株は主にデンマーク・インド・フィリピンで増加が見られ、日本でも1月中旬には空港検疫で陽性となった方々の約11%がBA.2系統であった事が判っています。しかし積極的にメディアで取り上げられる事が無かったため、ここ数日で「BA.2」という言葉を見聞きした方も多いと思います。

PCR検査で陰性だったから大丈夫・・・ではないため、知らず知らずに新たな感染者が出て医療も社会も混乱に陥る危険性があります。


オミクロン株 2


オミクロン株 3



インフルエンザでも「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで出席(出校や出社)停止」だし、まだデルタ株が完全に無くなった訳では無いので感染者や濃厚接触者の宿泊施設や自宅での待機日数が多いのは分かります。ただ、潜伏期間が短いのでその分だけ短縮するのも臨機応変な対応なのかなと考えています。

インフルエンザと同等なんだから感染症法上の分類を二類感染症から五類感染症にしろと騒いでいる方々も多いですが、三類に変更されると入院治療が実費となり、四類は一類~三類感染症以外のもので主に動物等を介してヒトに感染するものなので飛ばして、五類に変更されると就業制限(不要不急の外出も含めて)が出来なくなりモルヌピラビルなどの飲み薬も自費負担となります。

インフルエンザで有名なタミフルは薬価が255.7円なので1日2回5日間の服用で2557円の3~1割負担ですが、モルヌピラビルなどは当面薬価には反映せずに全額国費で賄われます。アメリカでは712ドル(約8万円)の治療費がかかるそうですので、単純に3割負担と考えても24000円かかる事になります。しかも18歳未満には投与できません。


・新型コロナウィルスは変異をし続けている

・ワクチンも治療薬も緊急使用許可または特例承認のものしか無い

・子供に対する安全で有効的な治療法や治療薬が無い

・自己負担となった時の治療費や薬価が非常に高い


長い自粛生活や自由を制限される生活が続いています。少しでも楽な方に楽しい方に気持ちが向くのも無理はありません。だからと言って大の大人がワガママや愚痴・批判を繰り返しも状況が良くなる問題でもありません。

全て大人のペースで話が進んでいますが、安全な治療法も治療薬も無く、学校や幼稚園などに通えない、通えても楽しみにしていた行事が次々に中止になっている子供たちが一番ジッと耐えているじゃ無いですか。大人の皆さんも少しは子供たちを見習いましょうよ。


今後さらに毒性や感染力が強くないウィルスへ変異していくか、安全かつ有効的な治療法や治療薬が確立すれば一安心だし、その逆が起きた時の事も考えておかないといけないと思います。

明日は我が身・・・ですよ。
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