大抵の病気は原因がある程度判っていて効果的に治療を行なえば治まる訳で、そうでは無いので難病(特定疾患)と言われているのだから上手に長く病気と付き合っていくしか無いんですよね。
約7割の潰瘍性大腸炎患者の方はペンタサやアサコールのようなメサラジン(5-ASA)徐放製剤により緩解(寛解)導入に至り長期の維持療法で安定化させる事が可能になりつつありますが、残り約3割の患者の方は自分のように不安定で治療に苦労されている事でしょう。
いわゆる難病(特定疾患)の中でも潰瘍性大腸炎はある程度の対処療法があり緩解(寛解)導入に至るまで効果を発揮する薬があるだけ救われる方が多い疾患だと思います。同じ原因不明でも対処できる方法があるのと無いのとでは、苦痛や苦労が大幅に変わって来るでしょう。
未だに緩解(寛解)に至らず不安定な状態である事から、今後の治療方針を決める意味合いもあり先月末に大腸内視鏡検査で状況の確認を行ないました。
その結果、相変わらず炎症が続いてはいるものの範囲が拡大している事は無く、現在は粘膜が修復されつつある段階である事が確認できました。同じ場所で潰瘍が起きては修復されるの繰り返しが続いているからずっと不安定なんですね。また、前回あった炎症性ポリープが約10mm程度のIp(有茎型)ポリープに成長しており、病理検査の結果は良性だったものの年内には切除した方が良いだろうとの事でした。
大腸内視鏡検査は事前準備も検査当日も大変なのであまり好きでは無いのですが、結局は患部を直接見て病理検査などを行なってみないと判らない事ってたくさんあります。今後も1~2年に1回のペースで大腸内視鏡検査を続けていきたいと思います。
今後の治療方針ですが、ステロイド剤(ベタメタゾン錠など)を使用しても一気に炎症を抑えられる可能性が少ない事から、現状通りの対処療法で地道に緩解(寛解)導入を目指す事となりました。将来的に免疫抑制剤(イムラン錠など)を使用する可能性も考えられなくは無いのですが、免疫抑制剤はガンなどの悪性腫瘍の発現リスクが高まる事が判っているため、なるべく使用しないで緩解(寛解)導入を目指したいと主治医は考えているようです。
海外の新薬で日本ではまだ認可されていませんが、皮膚に直接塗る軟膏タイプのステロイド剤と同じように患部に直接作用し吸収されるにしたがって徐々に効果が消失する内服薬も出てきているそうです。ペンタサやアサコールのように小腸や大腸に到達してから効果が出現し腸管に塗るようにステロイド剤が作用するなら全身への負担も軽減されるし、いつになるかは分かりませんが認可されれば治療の可能性が拡がりそうな気がします。
時間はかかるものの医学は着実に進歩しているんだなと改めて思います。
今回の検査結果と主治医との相談で対処療法を継続する事になりましたが、下記のように結果としてさらにクスリ漬けの毎日となる処方になったのは仕方ないと思っています。これで症状が抑えられ苦痛や苦労が軽減できるのなら治療に真面目に取り組むしかありません。
潰瘍性大腸炎のお薬(2015年3月現在の処方はこちらに記載してあります)
炎症が起きる回数が減ってきているためなのか強い炎症が起きていないためなのかは判りませんが、血圧も徐々に落ち着いてきてはいるものの頻脈が起きたり突発的に高くなったりする事がたまにあるため、循環器科の治療も現状維持となりました。
1日も早い緩解(寛解)導入を目指してこれからも地道に努力を続けていこうと思います。
※潰瘍性大腸炎治療のための処方(2016年5月から)
○消化器外科(潰瘍性大腸炎の治療)
アサコール錠400mg / 1日3回毎食後に3錠
セレキノン錠100mg / 1日3回毎食後に2錠
ラックビー錠 / 1日3回毎食後に1錠
コロネル細粒83.3% / 1日3回毎食後に2包
柴苓湯エキス細粒 / 1日3回毎食後2時間後に1包
プロマックD錠75 / 1日2回朝食後と寝る前に1錠
フェルムカプセル100mg / 1日1回寝る前に1カプセル
強力ポステリザン軟膏 / 1日2回
ステロネマ注腸3mg / 1日1回医師の指示通り
ペンタサ坐剤1g / 1日1回医師の指示通り
○循環器科(高血圧・高脂血症の治療)
ミカルディス錠40mg / 1日1回朝食後に1錠
フェブリク錠10mg / 1日1回朝食後に1錠
リバロ錠1mg / 1日1回朝食後に1錠
コニール錠4mg / 1日1回朝食後に2錠