ネットなどで調べると、食べて良い物とされる食材に対し、食べて悪い物とか食べてはいけない物などと紹介されている食材がありますが、個人的な意見では食べて悪い物やいけない物は一切ありません。
正確に言うならば、体調に応じて食べる量に気を付ける食材と言った方が良いかも知れません。
潰瘍性大腸炎は、入院療養が必要になるほど悪化する事もあれば、服薬を続ける事で生活にあまり支障をきたさない事もあり、体調の幅が広いのが特徴でもあります。
入院しなければいけないような方は、食事に気を付ける以前に絶食となるでしょうし、体調が良い時は少し気を付ければ良いだけの事で、神経質になるような食事制限は必要無いと思います。
食べたい物も食べられない、気をつけなきゃいけないというストレスの方が、病気に悪影響を与えると思います。
では、どんな事に気を付ければ良いのか。判りやすくポイントを説明します。
1.
不溶性の食物繊維を含む食材は控えめに
食物繊維には水溶性と不溶性のものがあり、不溶性の食物繊維を多く含む食材の代表としては、ごぼう・たけのこ・こんにゃく・キノコ類・豆類など、お腹の掃除をしてくれると言われるような食材に多く含まれています。
豆類がダメなら、納豆や枝豆も食べられないと思われるかも知れませんが、要は暴飲暴食を避けて良く噛んで食べ、1人分より少ない量(半分~八分目程度)で抑えておけば、問題無く美味しく食べる事ができます。
2.
脂肪分の多い食事は控えめに
脂肪分(脂質)と言っても、逆に食べた方が良いとされる脂肪分もあります。
例えば、青魚などに多く含まれるオメガ3系脂肪酸(n-3系脂肪酸/アマニ油・シソ油・DHA・EPAなど)は体の炎症を抑える作用が確認されており、オリーブ油などに多く含まれるオメガ9系脂肪酸(n-9系脂肪酸/オリーブ油・キャノーラ油など)は酸化しにくく悪玉コレステロールを除く作用が確認されています。
動物性脂肪のバターやラード、オメガ6系脂肪酸(n-6系脂肪酸/コーン油・サラダ油・ごま油など)は、普段の食生活に多く登場する脂肪分であり、これらの摂取は控えた方が良いです。食品の原材料に表示されている「植物油脂」という名前にも気を付けましょう。
そんなに詳しく分からないという方は、もっと簡単に気を付けられる方法があります。
脂肪分(脂質)の摂取を1日40g以下に抑えると再燃の可能性がグッと減る事が、臨床研究のデータから読み取れるのだそうです。
菓子パンなら2個、ファストフードで食事を済ませると40gなんてあっという間に超えてしまいますので、買う前や食べる前にチェックする習慣を身に付けると良いかも知れません。
3.
刺激物は控えめに
ニンニクや唐辛子などに代表される香辛料がパッと浮かびますが、お酒や炭酸飲料水なども刺激物です。
かと言って食べたり飲んだりしてはいけない物では無く、少ない量で抑えておけば、問題無く美味しく食べる事も飲む事もできます。
ビールなどの炭酸系のお酒や冷たいお酒は、刺激も強く体を冷やすので注意して飲む事をおススメします。冷たいお酒なら赤ワインや梅酒、暖かいお酒なら日本酒や焼酎などがおススメですが、飲み過ぎや食べ過ぎになりやすい点には気を付けましょう。
4.
和食を美味しく食べよう
和食は脂肪分(脂質)も少なく、体に負担がかかりにくい食材が豊富です。
気を付ける点としては、魚はお刺身より焼いたり煮炊きした物をなるべく食べる事と、天ぷらの食べ過ぎに注意するくらいなものです。
ご飯類やうどんなどは普段から食べられるものです。蕎麦はそば粉が不溶性食物繊維なので控えるように言われている方もいらっしゃいますが、わんこそばのように次々と供され食べる機会はそう多くは無いと思うので、美味しく食べましょう。
5.
体と相談する
疲れている時や調子が悪い時は、潰瘍性大腸炎を罹患されている方で無くても体調を崩しやすいです。
いつも食べているから大丈夫、これくらいならという慢心が再燃へと繋がる事を忘れないようにしましょう。体と相談しつつ、少しずついろいろな食材を試してみて、自分に合う食材の種類や量を自分で知っていく事が一番大事だと思います。